2021年3月2日火曜日

明日は上巳の節句







3月3日は雛祭り、桃の節句


日本には豊かな四季の中で育まれた多くの「節句」があります。
この節句は、もともと中国から奈良時代に伝えられた風習でした。
それを稲作を中心とした日本人の生活のリズムに
うまく適合させたことから、
節句は日本の季節行事として深く根を降ろし、現代に至っています。


昔はたくさんの節句がありましたが、現代に伝わる五節句は
江戸時代に幕府がそれまでの節句をもとに
公的な祝日として制定したものです。


五節句には、3月3日、5月5日のように奇数の重なる日が選ばれていますが
これも中国の考え方の影響です。
ただし1月だけは1日(元旦)を別格とし、
7日の人日(じんじつ)を五節句の中に取り入れています。


また、これらはお正月の七草、3月の上巳(じょうし/じょうみ)の桃
5月の端午(たんご)の菖蒲、7月の七夕の竹
そして9月の重陽(ちょうよう)の菊と
必ず季節の草や木に彩られるのが特徴となっています。


「五節句」のひとつの「上巳の節句」(じょうしのせっく)
「上巳」(じょうし)は、「じょうみ」とも呼ばれ
3月の初めの巳の日をいいます。


この日、水辺に出て不祥を除くための禊(みそぎ)祓(はらえ)を行い
宴会を催してお祝いをしました。
古代中国では、初めは巳の日でしたが、魏の時代より3日となったそうです。


中国でのこの行事のいわれは
けがれを祓い清める招魂の意味が強かったようですが
日本独特の祓(はらえ)の思想と結びつきました。
日本でも「日本書紀」に「3月3日が上巳の節句」との記述が残っています。


桃の節供と呼ばれるのは、その季節のものというのも
理由のひとつでしょうが
桃には邪気を払うという魔除けの信仰があったからだそうです。

ひな祭りとして開花したのは平安時代
紙などで作った幼女の遊び相手の小さな人形は「ひいな」と呼ばれました。
この「ひいな」と、上巳の節句に用いられた「ひとがた」とが
長い年月の間に融け合って、ひな人形が生れ
やがて家の中に飾り祀るようになりました。


特に、江戸時代以降は、ひな人形・雛道具ともに豪華になり
雛飾りは女の子のあこがれの縮図となり
それを飾る上巳の節句は、華やかな「ひな祭り」へと発達しました。
地方によっては、雛を川へ海へ流す「流し雛」の風習も残っています。



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